若葉

道端の雑草、知らないひとの家の生垣、公園に雑然と生えた木々の、若葉が芽吹いていますね。若葉はつやつやしていて、まるで赤ちゃんを見たときのように、「若いってそれだけでうつくしい」と思います。子どものころから若葉が芽吹くと、陽の光を反射するくらいつやつやで、すべすべなその葉を撫でで歩いていました。中学校へ登校するときも、道端にある低い生垣の、その表面にぴんと立った若葉を手でさらさらと撫でながら歩いては、当時いっしょに登校していた、学年一その見た目の華やかさが際立っていたナツミちゃんに「変なの」と笑われていたのを思い出します。わたし、ナツミちゃんに「ほら、ツツジって甘いんだよ」とツツジの蜜を吸って見せたことがあるような気がするけれど、たしかナツミちゃんは吸わなかったな。「若いってそれだけでうつくしい」。ナツミちゃん、わたしいまも、今日も、さっきも、歩きながら若葉を触っていたの、ナツミちゃんは何てわたしに言いますか。