2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

冬の青

暴力的に青い冬の空を、翼のないホンダが見上げている、そのからだを同じ青でいっぱいにして。そこでなにを考えているの。 わたしは、自分のからだを、自分のものにしたい。行きたいところへ、行きたいときに、飛んでゆきたい。会いたいひとに駆け寄って、知…

死は一般化、類型化にも関わらず孤独で、生は特殊化、個性化にも関わらず連帯する。

苦しさの責任

わたしの責任とは、本質的に他人と分有されているものだ。なぜなら、危害はわたしたちの多くが容認された制度や実践の範囲内でともに行為することで引き起こされるもので、また、わたしたちの行為のなにが誰か特定の個人を苦しめている不正義のどの部分を引…

誰そ彼は

チャコールグレーの、20デニールのタイツを履くとき、肌色が透けて見える、その、オレンジとグレーの混ざったような色は、どういうわけか青みも感じる、まるで濁った夕焼けのようなんだ。わたしは、スリットの入ったスカートを履き、裂け目の中の、濁った夕…

嘘つきの眼

夕方、電車の窓際に立つときは、西日を眼の奥までいれてあげる。水晶体を光が貫通する。眼の底がよろこんでいるのがわかる。わたしの眼はひとより色が薄めで、茶色と、緑色と、黄色と、灰色を混ぜたような色をしている、だからなのか、世界がいつも眩しい。 …