通勤のバス、結露して曇りガラスになった窓に、信号の赤や緑が、街灯の白が、いつもより広くぼんやりと輝いている。窓をなぞって、その光を鮮明なものにしたいけれど、我慢する。わたしの指は、いつもおそるおそるしている。 祖母の家の縁側の障子紙に、少し…
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