『アンダーグラウンド』(1995)
『アダムスファミリー2』(1993)
学生のころ、大学のシアタールームに友達3人集まって、クストリッツァの『アンダーグラウンド』を観たことがある。十字架にロープでくくりつけられた車椅子が、炎上しながらそのまわりを回る、恐ろしくも美しいシーンを観たとき、わたしは『アダムスファミリー2』で、炎上するサマーキャンプの中、車椅子の少年がいじめっこをロープでしばりあげるためにその周りをぐるぐると回るシーンを思い出した。 そのときから、「アダムスファミリー2の監督は、アンダーグラウンドをオマージュしたかったんだ!」と信じていたのだけど、いま調べてみたら、『アンダーグラウンド』が1995年、『アダムスファミリー2』が1993年でした。わたしの勘は違っていたようです。 それでもやっぱり、“異民族”がテーマのひとつである点において、共通点は感じてしまうので、もういちど観かえしてみようと思います。
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『アンダーグラウンド』の美しいラストシーン。イヴァンはこちらへ向かって語りかける。「苦痛と悲しみと喜びなしには、子供たちにこう語りかけられない。昔、あるところに国があったと」 音楽が鳴り響く中、陸地はいつのまにか河の方へと切り離され、死んでいった仲間たちとの終わらない宴がつづいていく。