くろいろの酒

許したまへ あらずばこその 今のわが身 うすむらさきの 酒うつくしき

 

与謝野晶子「みだれ髪」

 

今年一年をかけて、これまで見て見ぬふりをしてきた自分の諸問題に決着をつけようとしたら、想像していた以上にわたしは過去のわたしたちに恨まれていたようで、盛大に復讐をされています。過去のわたしたちが、「おまえだけがふつうのしあわせを手にできるわけがないだろう」と、つかみかかってくるのです。わたしだってがんばって生きてきたんだよ、だけど、そんな気持ちにさせて、ごめんなさいね。ああ、どうして、こんなことになっちゃったかな。みなさん、わたしと一緒に、新宿のバガボンドで黒ビールと肉豆腐をいただきませんか。    許したまへ あらずばこその 今のわが身 くろいろの 酒うつくしき。消えてしまいたいような夜、くろいろのお酒に込める。許してくださいわたしを。生きるしかないわたしを。